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私なりのまとめ「日本美術教育学会京都支部研修会」2014.12.6

今回の研修会参加者は私も含めて16名。教育現場の先生方にとっては成績業務などお忙しい中、参加しづらい日程だったかもしれない。しかし、全員発言できるなどまとまりある丁度いい人数でもあったようにも思う。懇親会の参加者は12名。12/16。参加率は高い。

実践発表は「対話型の鑑賞授業の取組~大学との連携を通して~」と題して、京都市立衣笠中学校教諭の野田朋子先生。

野田先生は京都市立芸術大学や京都嵯峨芸術大学などの京都芸術教育コンソーシアム加盟大学、武蔵野美術大学(ムサビるプロジェクト)などと連携を通して鑑賞指導の充実を図ってこられた。その4年間の取組を振り返っての発表であった。一口に連携といっても、その日程設定や会場準備・対象学年の設定や割り振り・様々な経費の工面など、手間と労力のいる取組である。

中学校美術科教育と美術系大学との連携はそれほど珍しくはない。連携そのものが目的化したり、双方にとって教育活動の価値を相乗的に高めたりすることにつながらない場合もある。絵画や彫刻を専攻する美術系大学生は基本的に作品主義であり作家志向をもつ。普通教育に求められている美術科教育の目標との齟齬は明らかである。では連携することのねらいをどこに絞り込むか。

発表の中で野田先生の口から繰り返し出された言葉は「試行錯誤」である。ものをつくるとき、新しいことに挑戦するとき、初発の発想やアイデアが変化し深められながら進行する。繰り返しフィードバックし繰り返し修正を加える。その連続で構想としてまとめられ、ひとつのものがつくられていく。

作品を鑑賞することは一面では、そのプロセスを追認していくことである。ものをつくるとき、どれほどの「試行錯誤」のドラマが展開されていることか。そのことを中学生にとって少し上の世代から作品と向き合いながらじかに聴き対話することは貴重な体験になるに違いない。同時に大学生にとっても中学生にとっても、創意や感じたことを言葉で表現する力、批評眼などを育てることにつながるように思われる。

講演は「子どもはなぜ複数の太陽を描くのか~絵画表現に見られる独自なシンボル・配置形態・意味内容の視点から~」と題して、大阪青山大学短期大学部准教授の高田定明先生。

高田先生はもともとの専門分野はデザインだが、大学では幼児教育を担当されている。表題は極めて刺激的である。着眼点もユニーク。通常、学会での発表時間は20分。今回60分間も時間をもらえてありがたいと感想を述べながら、研究者らしく調査・分析・考察と持論を展開された。

「複数の太陽のように、解釈が定まっていない表現、しかも周囲からの圧力によって容易に喪失してしまうことが予想される表現については、一度、教育という観点から議論されるべき問題であると考えるのである」(配付資料から)

幼児による複数の太陽の描画には、その配置や形態おいて実に様々なパターンがある。そして小学校入学後、複数の太陽描写は消滅するという。つまり、子供の発達段階や指導の在り方、文化的条件などに大きくかかわっていることがうかがえる。シンボルとしての太陽が画面に「時間が重ね合わされる」ことによって複数出現し、いわばリアリズムを基調とする直接的な描画指導だけでなく、その無意識の「圧力」によって消滅していくことが容易に理解される。

欧米では太陽を黄色や橙色で表し、日本では赤が主流である。日の丸や絵本などから子供はその幼い時期からすでに様々な文化的影響を受けているのである。

京都支部研

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プロフィール

ryoichi25r

Author:ryoichi25r

細谷 僚一 hosotani ryoichi
■ 大阪府箕面市生まれ(1948)
■ 京都教育大学教育専攻科美術工芸修了
■ 京都市立中学校教諭(美術科)16年
■ 京都市教育委員会学校指導課指導主事7年
■ 京都市立中学校教頭2年
■ 京都市教育委員会教職員課 人事主事5年
■ 京都市中学校校長5年(定年退職)
□ 大谷大学 教職支援センター教職アドバイザー4年(終)・非常勤講師3年(終)
□ 立命館大学 非常勤講師5年
□ 京都嵯峨芸術大学 教授3年
□ 京都女子大学 非常勤講師1年


履歴が示すように、専門は学校教育と美術科教育です。もともと好奇心旺盛なたちなので、様々なことに関心があります。学校教育にしても美術科教育にしても他のジャンルとのかかわりや歴史的観点から俯瞰的にみていくつもりです。

「美術科教育の未来」
2050年あたりに照準(大風呂敷)をあて、改善の姿を描こうと思っています。

「私の本棚」
読んだ本のまとめや感想をできるだけコンパクトにして整理したいと考えています。最も工夫したいことはそれぞれの本の関連づけです。

「気づ記・思いつ記」
日々の生活の中で気づいたことや思いついたことなどを日記のように表したいと思っています。


 

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